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土地の分筆登記で知っておきたい注意点|松本・長野で失敗しないための基礎知識

相続で土地を分けたい、敷地の一部を売りたい、
そんなときに必要になるのが「分筆登記」です。

分筆登記とは、一つの土地を複数に分けて登記簿上でも別々の土地として扱う手続きのことです。
しかし、ただ「線を引いて分ける」だけでは済みません。
分筆登記には正確な測量や境界の確認など、いくつかの注意点があります。

この記事では、松本市や長野市で分筆登記を検討している方に向けて、
その流れや費用の目安、そして注意すべきポイントを土地家屋調査士の視点からわかりやすく解説します。

分筆登記とはどんな手続き?

分筆登記とは、登記簿上で一つの地番として登録されている土地を、
複数の土地として分ける登記のことです。

たとえば、200坪の土地を100坪ずつに分けたい場合、
分筆登記を行うことで「A地番」「B地番」といったように新しい番号の土地として登録されます。

この登記を行うことで、それぞれの土地を別々に所有・売却・相続することが可能になります。
つまり、分筆登記は「土地を分けて独立した財産にする」ための手続きなのです。

どんなときに分筆登記が必要になるのか

分筆登記は、次のようなケースで必要になります。

  1. 相続で土地を分ける場合
    相続人が複数いる場合、それぞれの持ち分を明確にするために分筆登記を行います。
  2. 土地の一部を売りたい場合
    一部分だけを売却したい場合、登記上も独立させるために分筆が必要です。
  3. 農地を宅地に転用したい場合
    農地と宅地を分けて管理する場合や、一部を住宅用地にしたい場合にも分筆します。
  4. 共有名義を解消したい場合
    共有の土地をそれぞれの単独名義に分けたい場合にも有効です。
  5. 道路や公共用地のために一部を提供する場合
    行政や開発計画で一部を分離する場合にも、分筆登記が行われます。

このように、分筆登記は「土地の権利関係を整理する」ために欠かせない手続きです。

分筆登記の流れ

実際の分筆登記は、土地家屋調査士が中心となって進めます。
大まかな流れは以下の通りです。

  1. 現地確認と資料収集
    登記簿や公図を確認し、土地の位置・形・面積などの現況を把握します。
  2. 測量作業
    土地を正確に測り、境界の位置を確認します。
    必要に応じて隣地の所有者にも立ち会ってもらい、境界の確認を行います。
  3. 分筆計画の作成
    分け方を検討し、どの位置で線を引くかを図面に落とし込みます。
    建築基準法や都市計画法に違反しないように注意が必要です。
  4. 境界確定図の作成
    測量結果をもとに図面を作成し、関係者の同意を得ます。
  5. 法務局へ登記申請
    必要書類を整えて法務局に申請します。
    登記が完了すると、新しい地番で土地が登録されます。

分筆登記の費用目安

分筆登記の費用は、土地の広さや形、境界の状況によって変わります。
一般的な住宅地の場合、おおよその目安は次の通りです。

  • 測量・図面作成費用:20万円〜40万円前後
  • 隣地立ち会い・境界確定を含む場合:30万円〜60万円程度
  • 登記申請手数料(登録免許税など):数千円〜

※あくまで一般的な目安であり、地形の複雑さや境界確認の難易度によって変動します。

特に、隣地所有者が多い場合や、境界杭が見つからない場合は、
追加で時間や費用がかかることもあります。

事前に土地家屋調査士に相談して、見積もりを確認しておくと安心です。

分筆登記を行う際の注意点

  1. 隣地との境界を明確にしておく
    分筆の前に境界が不明確だと、後からトラブルになる可能性があります。
    現況測量や境界確定測量を行い、境界杭をきちんと設置しておくことが大切です。
  2. 建築基準法・都市計画法に注意
    分けた土地が、建築基準法で定める接道要件(幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していること)を満たしていないと、
    建物が建てられない場合があります。
  3. 土地の形を考えて分ける
    不整形な形に分けてしまうと、将来売却や建築の際に不利になることもあります。
    できるだけ使いやすい形で分けることがポイントです。
  4. 相続人や共有者との話し合いを十分に
    相続や共有名義の土地では、すべての関係者の合意が必要です。
    登記手続きの前に、全員が納得できる形を話し合っておくことが重要です。
  5. 農地の場合は別の手続きが必要
    農地を分筆する場合、農地法の許可が必要になる場合があります。
    必要に応じて行政への申請も同時に進める必要があります。

分筆登記のメリットとデメリット

【メリット】

  • 相続や売却時にスムーズに分けられる
  • 共有名義を解消できる
  • 土地の一部を有効活用できる

【デメリット】

  • 測量や登記に費用と時間がかかる
  • 境界確認のために隣地所有者の協力が必要
  • 分け方によっては、将来建物を建てにくくなる場合もある

こうした点を踏まえ、目的に合わせた分筆を計画的に行うことが大切です。

松本市・長野で分筆登記を検討するなら

松本市や長野市では、古い土地や農地を含む広い敷地が多く、
分筆登記の際には地形や登記簿情報の確認に時間がかかることがあります。

地域事情に詳しい土地家屋調査士に依頼することで、
測量から登記申請までをスムーズに進めることができます。

松和土地調査株式会社では、分筆登記をはじめ、
境界確定測量・現況測量・地積更正登記など、土地の正確な管理をトータルでサポートしています。
地域に根ざした豊富な経験をもとに、費用や手続きの流れもわかりやすくご案内いたします。

相続や売却で土地を分けたい方、登記の準備を進めたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

分筆登記は、土地の所有や利用を整理するうえでとても重要な手続きです。
しかし、境界の確認や法的な要件を満たしていないと、
後から登記できない、建築できないといった問題が発生することもあります。

土地を売る、相続で分ける、または将来のために整理しておきたいと考えている方は、
早めに専門家へ相談し、正確な測量と適切な登記を行いましょう。

松本市・長野市・安曇野市で土地の分筆登記を検討している方は、
地域密着の松和土地調査株式会社が確実で安心な手続きをサポートいたします。