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松本市で土地を相続すると、多くの方がまず直面するのが「何から手をつければいいのか分からない」という悩みです。
相続は突然始まることが多く、戸籍収集、相続登記、税金の確認、境界の把握など、やるべきことが多数あります。

また、相続登記が義務化される流れの中で、放置すると罰則の対象になる可能性もあり、以前よりスピード感を持って進める必要があります。

この記事では、松本市で土地相続が発生した方に向けて、相続登記の基本、測量が必要になる理由、境界の確認方法、進め方の順番を分かりやすく解説します。

相続の手続きを正しく進めることで、将来の売却や分筆でスムーズに進むだけでなく、家族間のトラブルも回避できます。土地家屋調査士の実務経験を踏まえて、迷わず進められるポイントをお伝えします。


【相続登記が義務化される理由】

近年、相続登記の義務化が大きな話題となっています。
その背景には「所有者不明土地問題」があります。

全国で所有者が誰か分からない土地が増え続け、公共事業、売却、管理に支障が出ています。
松本市でも例外ではなく、相続登記がされないまま代が変わり、相続人が20人以上に膨れ上がっているケースもあります。

こうした社会問題の解決策として、相続登記が義務化されました。

相続で土地を取得したことを知った日から3年以内に登記を行わないと、罰則の対象になる可能性があります。

ただし、3年以内に遺産分割がまとまらない、相続人が多数で戸籍が揃わないといった状況では、「相続人申告登記」という制度で義務を一旦果たすことができます。
つまり、期限を守るための安全弁が用意されています。


【相続手続きは何から始める?】

相続が発生したら、以下の順番で進めるとスムーズです。

戸籍収集
被相続人の出生から死亡までの戸籍を揃え、相続人を確定します。

評価証明書の取得
固定資産税の評価を確認し、相続財産を把握します。

登記事項証明書の取得
土地の地番や家屋番号を確認し、場所と権利関係を正確に把握します。

土地の現況確認
境界杭の有無、塀や建物の位置を確認します。

測量を行う
境界が不明確な場合や売却・分筆を検討している場合は必須です。

遺産分割協議
誰が土地を取得するか、また将来売却するかどうかを家族で話し合います。

相続登記
決定内容をもとに登記を行います。

相続でトラブルになる大きな原因は、「境界が分からない」「面積が合わない」など土地の現状が正確に把握されていない点です。
特に松本市では古い農地や住宅地が多く、登記簿の面積と実測の面積が違うケースは比較的多い傾向があります。


【なぜ相続で測量が必要になる?】

土地相続で測量が必要になる理由は主に三つあります。

境界があやふやなまま分割すると揉める
土地を分けて相続する場合、面積が不明確だと平等な分配ができません。
例えば、登記では200平方メートルと書かれていても、実測では180平方メートルだった場合、等分で分筆する話が振り出しに戻ることがあります。

売却しようとすると測量が必須になる
買主は実測面積を求めることが多く、境界が確定していない土地は売却が遅れます。
また、融資を受ける際にも境界確定図が求められることが一般的です。

老朽化した塀や建物が越境している可能性
古い住宅地では塀が隣地に少し入っている、屋根が越境しているといったケースが珍しくありません。
測量によってこれらを発見し、必要に応じて覚書や補修でトラブルを回避します。

土地の相続は家族の将来に関わる重要な手続きですので、測量によって現状を正確に知ることが安心につながります。


【境界確定測量の流れ】

相続で測量を行う場合の流れを、より具体的に解説します。

ご相談
相続の状況、土地の場所、今後の希望をヒアリングします。

資料調査
法務局、公図、古い分筆図、地積測量図、道路台帳などを確認し、境界の根拠を整理します。

現地測量
GNSSやトータルステーションを使い土地を計測します。

隣地の所有者への立ち会い依頼
相続人ではなく、隣地所有者と境界を確認する大切な工程です。

境界確認・境界標の設置
双方合意のもと境界杭を設置し、境界確認書を作成します。

成果品の作成
境界確定図、写真台帳、座標一覧などをまとめて納品します。

登記申請
必要に応じて地積更正登記、分筆登記を実施します。

全体の期間は1.5〜3ヶ月ほどが一般的です。


【松本市でよくある相続トラブル】

松本市でよく相談される相続トラブルには次のようなものがあります。

登記面積と実測が違う
100平方メートル以上違うケースもあり、売却が白紙に戻ることがあります。

境界杭が見つからない
昔の境界が石積みや木杭だったため、現在は痕跡がない例が多いです。

相続人が多人数化して話が進まない
代を重ねて相続人が増え、合意形成に時間がかかります。

古い塀や建物が越境していた
取り壊しや修繕の費用負担で揉めることがあります。

こうした問題は、測量によって現状を「見える化」することで解決に近づきます。

【よくある質問】

Q. 相続登記は急がないといけませんか?
A. はい。義務化により、相続を知った日から3年以内です。

Q. 測量しないまま相続登記してもいいですか?
A. 可能ですが、後から測量が必要になり二度手間になることがあります。

Q. 兄弟で土地を分ける予定です。測量のタイミングは?
A. 必ず分筆前に境界確定測量を行うのが安全です。

松本市で土地相続をスムーズに進めるには、戸籍収集よりも先に「土地の現況確認」と「測量の要否判断」を行っておくことが大切です。

境界があいまいなまま相続を進めると、売却が進まない、兄弟間で揉める、将来の建築ができないなど、さまざまなリスクにつながります。

測量は決して難しいものではありません。
土地家屋調査士が地図と現地の整合を取りながら、境界を明確にしてくれます。

相続が発生したら、まずは土地の状況を一緒に整理し、迷わず進められるようサポートいたします。
松本市で土地相続・測量・境界確定のご相談があれば、ぜひお気軽にご相談ください。