土地の相続が発生したとき、多くの方が最初に考えるのは、名義変更や相続登記のことではないでしょうか。
しかし実務の現場では、登記以前に必ず確認しておきたい重要なポイントがあります。
それが土地の境界と正確な面積です。
松本市や安曇野市では、親の代、さらにその前の代から引き継がれてきた土地も多く、境界や面積があいまいなまま相続されているケースが少なくありません。
相続した直後は問題がなくても、数年後に売却や分割の話が出た途端、一気にトラブルになることもあります。
この記事では、土地相続と測量、境界確定の関係について、初めて相続を経験する方にも分かりやすく解説します。

土地相続でよくある悩み
相続の相談でよく聞かれるのが、次のような声です。
親から土地を相続したが、どこまでが自分の土地か分からない
兄弟で土地を分けたいが、正確な面積が分からない
登記簿の面積と実際の広さが違う気がする
境界標が見当たらず、隣地との境目があいまい
今は使う予定がないが、将来売ることを考えると不安
これらの悩みの多くは、測量や境界確定を行っていないことが原因です。
相続は感情的な問題が絡みやすいため、土地の条件が不明確なままだと、相続人同士の話し合いが難航しやすくなります。
相続登記だけでは問題は解決しない
相続が発生すると、相続登記を行えばひとまず安心だと思われがちです。
しかし、相続登記はあくまで名義を変更する手続きであり、土地の境界や面積を確定するものではありません。
登記簿に記載されている面積は、古い測量方法や概算で登録されていることも多く、現況と一致していないケースもあります。
また、登記簿には境界線の位置は記載されていません。
つまり、相続登記を済ませても、土地そのものの不確実さは残ったままなのです。
相続で測量が重要になる理由
土地相続で測量が重要になる理由は、大きく分けて三つあります。
一つ目は、相続人同士で公平に分けるためです。
土地を分筆して分ける場合、正確な面積が分からなければ、平等な分割はできません。
感覚的な区切りでは、後から不満が生じる原因になります。
二つ目は、将来の売却や活用をスムーズにするためです。
境界や面積が確定していない土地は、買主から敬遠されやすく、価格交渉の材料にされることもあります。
三つ目は、隣地とのトラブルを防ぐためです。
相続をきっかけに土地を整理しようとした際、境界が不明確だと、隣地との認識の違いが表面化しやすくなります。

境界確定測量とは何をするのか
境界確定測量とは、土地家屋調査士が中心となり、隣接する土地の所有者と立ち会いを行い、法的に有効な境界を確定する測量です。
過去の登記資料や図面を調査し、現地の状況を測量したうえで、関係者全員が納得できる境界線を確認します。
その結果をもとに境界標を設置し、境界確認書を作成します。
この手続きを行うことで、将来にわたって通用する境界の根拠が残ります。
松本・安曇野エリアで特に注意すべき相続土地の特徴
松本市や安曇野市では、次のような土地が相続対象になることが多く見られます。
古い住宅地で境界標が失われている土地
農地や山林を含む広い敷地
用水路や里道に接している土地
昔の慣習で使われてきた境界がある土地
こうした土地は、資料と現況が一致しないことが多く、測量を行わずに相続を進めると後々問題が顕在化しやすい傾向があります。
相続後に測量を後回しにするリスク
相続直後は忙しく、測量は後でいいと考える方も多いですが、後回しにすることで次のようなリスクが生じます。
相続人同士の記憶や認識が曖昧になる
隣地所有者が変わり、話し合いが難しくなる
売却のタイミングで測量が必須となり、時間が足りなくなる
境界を巡るトラブルが感情的にこじれる

相続が発生したタイミングは、土地を整理する絶好の機会でもあります。
この時期に測量と境界確認を行うことで、将来の負担を大きく減らすことができます。
土地家屋調査士に相談するメリット
土地家屋調査士は、測量と登記の専門家として、相続土地の整理を総合的にサポートできます。
単なる測量だけでなく、
相続の状況に応じた測量方法の提案
分筆や地積更正の必要性の判断
隣地との調整や立ち会い対応
将来の売却や活用を見据えた助言
こうした点まで含めて対応できるのが大きな強みです。
土地相続において、測量と境界確定は後回しにされがちですが、実は非常に重要な工程です。
境界や面積があいまいなままでは、相続人同士の話し合いが難しくなり、将来の売却や活用にも支障が出ます。
松本市や安曇野市で土地を相続した方、これから相続を控えている方は、早めに土地の状況を確認し、必要に応じて測量を行うことをおすすめします。
境界を明確にし、土地の状態を整理しておくことが、相続後の安心につながります。